世界的な健康志向の高まりでコカ・コーラは戦略見直しを迫られる

世界各国、特に先進国では最近になって健康志向が高まっており、砂糖入り炭酸飲料からの消費者離れが進んでいる。そのような傾向を反映して炭酸飲料大手のペプシコ（銘柄コード：PEP）が、2025年までに砂糖入り飲料を大幅に減らすという目標を発表した。

コカ・コーラの過去記事はこちら。

2025年までに砂糖を減らす

世界ではまだまだ飢餓が残っているが、その一方で先進国を中心に健康志向が高まり、健康に悪い食べ物・飲み物に対する消費者離れが進んでいる。実際にアメリカなどでは最近になって砂糖入り炭酸飲料の売り上げは減少を続けており、コカ・コーラ（銘柄コード：KO）やペプシコなど炭酸飲料メーカーも、炭酸飲料から非炭酸飲料へとシフトしている。

そして最近各国の消費者の「砂糖離れ」を加速させるような出来事が続いている。先週の11日には、WHO（世界保健機構）が各国政府に対して、砂糖入り飲料への課税を検討するよう呼びかけた。

このような呼びかけに応えるかのように、アメリカのペプシコが今後は砂糖入り飲料を減らすという目標を17日になって発表した。その内容によると、これまでは全製品の40％程度だった「12オンスあたり100キロカロリー以下」の製品を、2025年までに全製品の3分の2以上に増やすというものだった。

12オンスというのは350ml程度なので、日本でよく売られている500mlのペットボトルだと、140キロカロリー程度になる。

500mlあたり140キロカロリー以下だと、比較的低カロリーの部類に入る。「ダイエットペプシ」など低カロリーを売りにしている製品は極めてカロリーが低くゼロに近いが、普通のコーラは500mlだと225キロカロリー程度と言われる。それに比べると、140キロカロリー以下はまだ健康的と言える。

ペプシがこのような措置を取ると、ライバルであるコカ・コーラも追随する可能性が高い。実際コカ・コーラはペプシコと同様の「砂糖入り飲料を減らす」という目標はまだ発表していないが、非炭酸飲料製品の割合を増やしているので、事実上同じような方向を目指している。

日本では発売されていないが、コカ・コーラはアメリカで「ゴールドピーク」という飲料茶ブランドの製品を販売している。そしてこのブランドの新製品を、2017年初頭に発売すると最近発表した。

コカ・コーラ社の売り上げはここ数年わずかながら減少が続いているが、それはアメリカで炭酸飲料の消費量が減っているここと無関係ではない。タバコと同様、炭酸飲料も少しずつ社会の中で居場所を失っている時代になってきた。