一部商品先物の大取移管まであと3週間

一部商品先物の大取移管まであと3週間

著者 鳥羽賢
2020年07月6日

日本取引所グループと東京商品取引所が昨年10月に経営統合したため、一部の商品先物銘柄が2020年7月27日をもって東京商品取引所から大阪取引所に移管される。これは日本の先物業界にとって大きな変化となる。

総合取引所を目指したが…

東証などを統括する日本取引所グループと、商品先物を扱う東京商品取引所(以下、「東商」)は、昨年10月に経営統合を行った。日本の代表的な株式市場と商品先物市場を運営する企業同士の統合ということで、この統合によって株式や先物を含めた幅広い銘柄を取り扱う「総合取引所」の誕生が期待された。


両社が統合されたためにこれまで東商に上場されていた商品先物銘柄のうち、一部が2020年7月27日付けで大阪取引所(以下、「大取」)に移管される。移管されるのは、金や銀などの貴金属、とうもろこしや大豆などの農産物、それにゴムの先物だ。


そして原油やガソリンといったエネルギー銘柄は東商に残る。ここで「どうせ移管するならなぜ全ての銘柄を移管しないのか?」という疑問を持つ人々も少なからずいるだろう。その疑問はもっともだが、一部の省庁などがエネルギー銘柄の移管に反対したためにこのような中途半端なことになってしまった。


しかしともかく、エネルギー以外の銘柄が7月中に大取に移管される。大取にはもともと、日経225先物など株式指数先物が上場されている。そこに商品先物が移管されてくると、今後は同じ先物口座で株式指数先物と商品先物が取引できる前提になる。


ただし問題は、これまで日本では株式等を扱う証券会社と商品先物を扱う商品先物会社がほぼ完全に分かれていた点だ。そして株式指数先物は基本証券会社が扱っている。株式指数先物と商品先物を両方扱っている会社は、これまでのところかなり少ない。


これは今まで株式等は金融商品取引法、商品先物は商品先物取引法と、規制する法律が完全に分かれていたため、当然のこととも言える。それが7月27日以降は、貴金属や農産物の先物も金融商品取引法の管轄になる。


今まで株式指数先物を扱ってきた証券会社は少なからずあるが、その中で7月27日からすぐに商品先物も取り扱いを開始する会社はほとんどない。一応同じ大取で取引されることになるので新規で商品先物を取り扱おうと思えばできるはずだが、多くの証券会社が及び腰だ。


とはいえたとえば楽天証券は1社で株式指数先物と商品先物を両方取り扱っていたので、7月27日以降は「同じ口座で株式指数先物と商品先物が両方取引できる」という統合の最大のメリットが享受できるようになる。


7月27日以降同一口座で日経225先物と金先物両方が取引できるようになる一方、以前まで取り扱っていた原油などエネルギー先物は楽天証券では取引ができなくなる。東商にはエネルギー銘柄しか残らないため、続けるメリットもないと判断したのだろう。


このように総合取引所の長所を利用できる機会は、一般の投資家にとってはまだ少ない。しかし大取の先物運営が順調に行けば、将来的には増えていくであろう。

 

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