昨年末から世界でワクチン接種が始まっているが、予想されていた通り接種が進んでいる国とそうでない国の差が大きい。しかし現在の世界経済は一体化が進んでおり、米など一部の国でパンデミックが終息しても接種が遅れる国で終息できないなら、世界経済全体の回復が遅れることになりかねない。
2020年初頭から世界を恐怖に陥れたCOVID-19(新型コロナウイルス)のパンデミックも、発生からすでに1年以上が過ぎた。当初は中国の武漢から広がったウイルスだけが拡まっていたものの、すでにウイルスは多数の変異種が生まれており感染力や毒性などが強化されたものも増えている。
しかし各国はパンデミック初期から積極的にワクチン開発を進め、昨年末には完成してようやく希望が見えてきた。特に開発国のアメリカやイギリスなどは接種が他国より速く進み、5月までには相当感染者が減ったことが確認されている。それにアメリカと強い関係を持つイスラエルも多くのワクチンを入手して国民に接種させ、感染者が激減した。
このようにワクチン接種を進めて終息に大きく近づいている国がある一方、ワクチン接種がほとんど行われていない国も多い。残念ながら日本もまだ国民の2~3%しか接種ができておらず遅れている国に分類されるが、日本は少なくとも2021年中にはかなり接種が進められるだろうと予想できる。
問題は今年後半になっても接種を進められない国が多くあると予想されることだ。そして現在の世界経済は一体化が進んでいるので、そういった国でパンデミックが終息しないと世界経済全体の回復が遅れる。
現在の先進国の企業の多くは、製品の生産を労働力が安い途上国で行っている。地理的な距離も重要なので、日本企業は主に中国や東南・南アジアで、アメリカ企業はメキシコや南米で、欧州企業は東欧やアフリカで行っている。
今後途上国で終息が遅れてパンデミックが続けば、先進国のメーカーの生産にも支障が出る。現在はインドが毎日30~40万人も新規感染者が出て世界最悪の状況になっており、インドではスズキなど自動車メーカーが生産を停止している。もちろん報道されているスズキは氷山の一角で、インドで生産する企業でパンデミックのために支障が出ている企業は他にも多い。
このようなワクチンの不平等問題については、批判や是正の提案が主に途上国から出ている。南アフリカのラマポーザ大統領は最近「富裕国がワクチンを独占しているのはワクチンアパルトヘイトだ」と発言。アパルトヘイトとはかつて南アフリカにあった白人と黒人を極端に差別する政策の名称。つまり今の状態を「ワクチンによる差別だ」と述べている。
また途上国から先進国に対し、ワクチンの特許を一時放棄するよう要請も出ている。しかし先進国の政府や企業の多くは反対しており、この要請が実現する見通しはない。
南ア大統領のような「差別だ」と呼ぶのはやや極端な意見ではあるが、ワクチンの不平等がある限り世界的なパンデミック終息はなかなか見えない。そして世界経済の回復も遅れることになるだろう。
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