レセプト債の関連会社が破綻、でもレセプト債って?

筆者 鳥羽賢 |

レセプト債を発行・運用していた企業数社が破綻した。

 医療機関の診療報酬請求権を基にした債権・レセプト債を運用・発行していた企業数社が、今月になって一斉に破綻申請をした。聞き慣れない言葉だが、このレセプト債とはどのようなものなのだろうか?

 

診療報酬を基にした債券

 

 日本には国民皆保険制度があり、ほとんどの国民が国民健康保険か職場の社会保険に入っている。加入していると医療機関に行った時に一部の負担金だけを支払い、残りの支払い分は医療機関が後日保険組合に請求する。例えばかかった治療費が1万円なら、多くの加入者にとって一部負担率は3割なので、診察後に3,000円だけ支払い、残り7,000円は医療機関から保険組合に請求が行く。

 この請求の書類のことを「レセプト」と呼んでいる。そしてこの時請求される診療報酬を基にした債券が「レセプト債」になる。レセプトに関する債権を持っているのは診療費を請求する病院や薬局など医療機関であるが、医療機関が直接レセプト債を発行するわけではない。

 レセプト債は、発行体の会社が医療機関から債権を買い取り、自社が債権者となった上で発行していた。レセプト債という聞き慣れない言葉が使われているが、要は一般的な債券であり、国債や社債などと大きく違うわけではない。発行の裏付けに診察報酬が存在しているというだけのものだ。

 レセプト債を購入した投資家は、毎年一定の利子を受け取れることになっていた。一方集められた資金は運用会社が運用して利益を出す予定だった。一般投資家への販売は証券会社を通して行われており、竹松証券やアーツ証券など7社ほどの証券会社が販売していたと言われる。これまでのところ、野村などの大手が販売していた話はない。

 しかし最近になって、関連会社数社がまとめて破産を申請。運用をしていた「㈱オプティファクター」、そして発行をしていた「㈱メディカル・リレーションズ・リミテッド」、英領バージン諸島に本社を置く同じく発行をしていた「メディカル・トレンド・リミテッド」「オプティ・メディックス・リミテッド」、そして「㈱エム・アイ・ファシリティズ」という関連企業も破産を申請した。

 今回の事件で「関連会社4社が破産を申請」という報道もあるが、実際には5社が申請をしている。ただしエム・アイ・ファシリティズはまだ負債額が分かっていない。

 証券会社を通して販売されていたレセプト債は227億円分と言われるが、関連会社の破綻によってそれが償還不能になる可能性も指摘されている。そうなったら投資家は、販売した証券会社の責任を追及するかもしれない。

 このようなリスクの高い金融商品を避けるために、投資家が投資をする前に見ておかなくてはならない情報は何だろうか?1つには、レセプト債の場合運用をやっている企業がオプティファクターというあまり聞かない企業であり、それがすでに怪しかった。運用企業に十分な能力がなく、株式などに投資をしても思うように利益が出せず、それが破綻につながった可能性が高い。

 ファンドや債券に投資をするなら、運用企業がしっかりしているところを選ぶのが第一だ。お金を預けるなら、実績のある大手企業が発行・運用している金融商品を選ぶのが重要になる。
 



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。