リキッドステーキングなど広がるステーキングの種類

仮想通貨を取引処理のために利用させて報酬を得るステーキングはすでに広く行われているが、最近になってリキッドステーキングやリステーキングといったステーキングの発展形が台頭してきている。

代替トークンがもらえる

　仮想通貨からインカムゲインを得る方法としてのステーキングはすでにかなり一般的になった。仮想通貨のPoS（プルーフ・オブ・ステーク）という取引処理方法は特定の仮想通貨を多く持つ者に処理の権利が与えられ、報酬として少額の通貨を受け取る。

　ステーキングで取引処理をする者をバリデーターと呼ぶが、個人がバリデーターになるには専門的知識がいる。そのため実際には取引所がバリデーターになり、個人は取引所のステーキングサービスに仮想通貨を預けることで年数％程度の利回りが得られる。

　そして最近はステーキングの発展形が台頭してきている。まずはリキッドステーキングと呼ばれるもの。リキッドとは「流動的な」という意味で、流動性ステーキングと呼ばれることもある。

　一般的に取引所に預けてステーキングをする場合、ステーキング中の仮想通貨はロックされて自由に売買することができない。だがリキッドステーキングでは、ステーキングをすると同時にLST（リキッドステーキング・トークン）と呼ばれる代替仮想通貨を与えられる。

　ステーキングをして元の仮想通貨がロックされてもLSTが付与されるので、ステーキング中もLSTを使った運用ができる。基本的にLSTは元通貨のシンボルの左側に別の文字（小文字が多い）が追加されたものがシンボルになる。

　例えば「Lido（ライド）」というリキッドステーキングのプラットフォームがあるが、ここにイーサリアムを預けて付与されるLSTは、イーサリアムの「ETH」の左側に別の2文字を追加した「stETH」というシンボルを持つ。そしてLSTは元通貨とほぼ同じ値動きをするものが多い。

　他にはリステーキング、または再ステーキングと呼ばれるものもある。これは1度ステーキングした仮想通貨を再度ステーキングする、つまり二重ステーキングである。リステーキングのプラットフォームとしては「EigenLayer（アイゲンレイヤー）」などが知られている。

　さらに最近では上記の2つを組み合わせた、リキッドリステーキングというステーキングの発展形も出てきている。そしてリキッドリステーキングで代替として発行されるトークンをLRT（リキッドリステーキング・トークン）と呼ぶ。

　このように仮想通貨の世界ではステーキングがどんどん発展して新しい形態が生まれている。これらを活用することで、仮想通貨で得られるインカムゲインがさらに増えることになる。