COVID-19の流行で世界的に航空便が欠航しているため、米航空機メーカーのボーイングが経営危機に陥っている。すでに米政府に対して支援を求めているが、もしボーイングが破綻したとしたらその影響は航空業界に留まらず世界的なものになると予想される。
「ボーイング」という名前自体は聞いたことがある人が多いだろう。現在日本の国内外で飛んでいる多くの飛行機は「ボーイングXXX」という名前がついており、米ボーイング社によって開発・製造されたものだ。
そのボーイングが、現在経営危機に瀕している。最大の理由はCOVID-19(新型コロナウイルス)であるのは当然だが、その前に737MAXの問題がすでに存在していた。
737MAXとは、ボーイングが2010年頃から開発してきた新型飛行機の名前。ボーイングは2017年頃から737MAXをクライアントに売却し、実際に世界の空で飛行することになった。
しかし737MAXには欠陥があり、2018年10月と19年3月に2回も墜落事故が発生。そしてどちらの事故でも乗客乗員全員が死亡した。世界各国は2回の事故を見て、737MAXの飛行禁止を命令。
その後ボーイングは信頼を回復して737MAXを市場に再投入しようと努力するも、信頼回復はできず2020年1月には生産の完全終了となった。737MAX関連でボーイングが被った損失は日本円で約1兆円にもなるとされ、2019年度(12月決算)で22年ぶりに通期赤字を計上する大きな原因となった。
737MAXで大きなダメージを受けていたところに、COVID-19の問題が追い打ちをかけている。各国は自国民の海外渡航を自粛するよう命じ、さらに多くの国からの外国人の受け入れを拒否している。
この状況では多くの航空便が減便あるいは欠航となっており、当然ながら機材としての飛行機の需要も激減した。そのためボーイングへの受注は激減し、ボーイングは経営危機に瀕している。
ボーイングはすでに、米政府に対して「600億ドル(約6兆3000億円)の支援が必要」と述べている。それに対してトランプ大統領は支援する意志があることをすでに示した。ただし実際に支援するとなれば米議会を通す必要性があると思われ、議会の承認を得られるかどうかは別問題となる。
米政府の支援が得られずボーイングが破綻するようなことになると、その影響は2008年のリーマン・ブラザーズの破綻に匹敵するものになるかもしれない。もちろんリーマン・ブラザーズは金融機関で、ボーイングは航空機メーカーと業種は全く違う。
2008年にはリーマン・ブラザーズが破綻したことによって、「金融商品は全て危ない」というメッセージが世界中に送られ、結果的に世界中で株価が暴落した。ボーイングが破綻しても同様のメッセージは送られないが、経済的な影響は甚大になる。
ボーイングほどの大企業なら下請けや取引先は無数にあるので、それらすべてに悪影響が及ぶ。また破綻したら今後航空機の開発を行うメーカーが、欧州のエアバスしかなくなることも考えられる。現在世界の航空機業界はボーイングとエアバスの2社で寡占状態にあり、その一角が崩れるわけだ。
そして現在の状況ではもちろんエアバスも経営危機が迫っている。これら2社に何かあるとCOVID-19が収束したとしても、その後航空機の開発を行う者がいなくなる。そういった意味でボーイングの破綻は影響が甚大になると思われるが、米政府や議会が支援に動くかどうかはまだわからない。
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