ビットコイン暴落の裏には中国の動きか

11月になって軟調な動きが続くビットコインが、21日夕方から22日夜にかけて大きく下落。この24時間余りで価格は88万円から75万円まで13万円ほど下がり、この間の下落率は最大14％にもなった。そしてこの裏には、中国が仮想通貨に対する取り締まりを厳しくするとの発表があった。

中国発の材料で大きく動く

11月頭には100万円付近にあったビットコイン価格だが、今月はずっと軟調な動きが続いてきた。そして21日夕方には88万円付近にあった価格が、まずこの日の夕方に数万円下落。

同日の夜中頃にまた数万円下落して82万円付近になり、その後は22日未明から朝、そして日中にかけて82万円付近に留まっていた。しかし夕方以降になってこれまで以上の下落になり、午後11時頃には75万円まで値を崩した。前日の午後5時頃からの約30時間で、下げ幅にして13万円、下落率にして14％を超える暴落となった。

ビットコインの暴落は他の主要仮想通貨にも波及し、イーサリアムは同じ21日午後5時頃から22日午後11時頃までに約20％も暴落、リップルは約10％下落、ライトコインも約20％暴落した。

これだけの下げが起こった背景には、中国当局の動きがあると見られている。もともと1週間ほど前から、中国が国内の仮想通貨取引に対する取り締まりを厳しくするという情報は流れていた。

そのような動きの中、21日には世界最大級の仮想通貨取引所であるBinance（バイナンス）の上海事務所が、中国当局の取り締まりを受けて閉鎖されたという情報が流れた。この情報が21日夕方と夜のビットコイン下落につながったと見られる。ただしBinance側は後になってこの情報を否定している。

そして22日になると中国の中銀である中国人民銀行の上海支店が声明を発表し、今後は仮想通貨取引、特に違法な取引や取引所に対する取り締まりを厳しくすると述べた。これがさらなるビットコイン売りを引き起こしたと思われる。

ビットコインの75万円は5月上旬以来約半年ぶりの安値なのだが、今回も中国の動きによってレートが大きく動いた可能性が高い。ビットコインは10月下旬に一度80万円まで下がったものの、24日に中国の習主席が「今後ブロックチェーン技術への投資を増やす」という趣旨の発言を行った結果、26日までに30％近くも大暴騰し一時110万円をつけた。だがこの暴騰は一時的なもので終わり、11月になってまた下げが続いているのはすでに述べた通りだ。

10月下旬と今回の動きで分かるように、最近のビットコインや他の仮想通貨は中国発の材料で大きく動くことが多い。中国が世界2位の経済大国である以上それは当然かもしれないが、中国発の材料が買い材料になるのか売り材料になるのか、予想が難しいのが悩みどころだ。