ヒラリー・クリントンが金融取引の各種規制を提案

ヒラリー・クリントンが金融取引の各種規制を提案

著者 鳥羽賢
2015年10月11日

来年の米大統領選挙で民主党候補になる可能性が高いヒラリー・クリントンが、大統領になったあかつきにはアメリカ国内の金融取引に関し、各種規制を強化するという提案を出した。

HFTへの課税も強化

米大統領選について簡単に確認しておくと、基本的には民主党と共和党から1人ずつ候補が出て、その一騎打ちとなる。そして民主党候補になる可能性が現時点で最も高いのが、ビル・クリントン元大統領の妻であるヒラリー・クリントンだ。大統領になれば、アメリカ史上初の女性大統領となる。

そのヒラリーだが、最近になって大統領となったらアメリカ国内の金融業界の規制を、強化すると発表した。具体的な内容は以下のようになる。

まず最近ヘッジファンドなどを中心に盛んに行われている、高頻度取引(HFT)への課税を強化すること。HFTとは、コンピューターによって1000分の1秒程度の瞬時に行う売買を多数繰り返すトレード手法のことだ。

これはファンドのコンピューターのみによって可能になる取引手法で、個人ができるものではない。HFTへの課税を強化して、株式市場などで個人が不利になり過ぎることを避ける目的があると思われる。

また大手金融機関による投機的取引への課税も強化する。具体的には、資産が500億ドル(約6兆円)以上ある金融機関に対し、「リスク税」と称して投機的取引に対する新たな税金を課す。

さらに大手金融機関に関し、分割や解体をしやすくする仕組みの構築も提案した。これはなぜかというと、2008年のリーマンショックはリーマンブラザーズという巨大金融機関の破綻によって世界的な金融危機になった事件だからだ。

リーマンショックのような事態の再発を避けるために、大きすぎる金融機関をいくつかに分割できるような仕組みが必要というのがこの提案の根拠だ。まだ具体的な法案にはなっていないが、アメリカにあるリーマンクラスの大手金融機関というと、同じ投資銀行のゴールドマン・サックスや、商業銀行大手のシティ・グループなどがある。

以上のような案が、大統領候補を目指すヒラリーから提示された。しかし、大統領選は来年であり、ヒラリーはまだ民主党候補にすらなっていない。なったとしても、今度はドナルド・トランプなどが名乗りを挙げている共和党の候補に勝たなくてはならない。

また米議会は現在上下院とも共和党が多数派であり、ヒラリーが大統領になったとしても、共和党が支持をしない限りこの案が議会を通過して施行されることは難しい。提案としては興味深いが、現時点での実現可能性はまだまだ低い案と言える。

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