ソフトバンクGが株式非公開化を検討と報道

ソフトバンク・グループが、株式の非公開化を検討していると英経済紙などによって報じられた。この報道を受けて同社の株は、14日の株式市場で9％も上昇した。

決定すればMBOか

　14日になって英経済紙など一部のメディアが、ソフトバンク・グループ（銘柄コード：9984）が株式の非公開化を検討していると報じた。

　株式の非公開化とは、つまり現在上場しているソフトバンクGの株を上場廃止にするということ。ほとんどの上場企業は上場後に自主的に上場を止めることはしないが、外部から経営に干渉されたくないなどの理由で自ら上場廃止の道を選ぶ企業もある。

　株式の非公開化はまだ決定された話ではないが、決定された場合MBO（マネジメント・バイアウト）などの方法で実行されることが考えられる。MBOとは日本語で表記するなら「経営陣による買収」と言う。

　MBOとは企業の経営陣が、不特定多数の株主から株式を買い付けて買収のような形を取る手法になる。結果として浮動株が減り経営陣の持株比率が大きく高まるので、株式が上場されていた場合同時に上場廃止となるケースが多い。

　MBOとよく似たものにTOB（株式公開買い付け）があり、こちらは特定の個人や企業が不特定多数の株主から株式を買い付けること。つまり経営陣が買い付けるのがMBOで、その他の第三者が買い付けるのがTOBになる。

　MBO（あるいはTOB）が行われる場合、株式の時価よりも高い価格で買い付けなければ売却に応じてくれる株主は少ない。そのために現在の価格にプレミアムを乗せてやや高い価格で買い付けるのが普通だ。

　ソフトバンクGが株式の非公開化を検討していると報じられたために、14日の東京株式市場では将来のMBOを期待して同社の株は暴騰。先週11日には5,860円で取引を終えた同社の株は、14日は9％ほど高い6,400円で寄り付き。その後も前場から後場にかけて6,400円付近で推移し、終値は9％高の6,385円だった。

　ソフトバンクGは日本の株式市場の代表的な株で、日経225平均にも採用されている。また日経225平均採用銘柄225種の中でも、同指数への寄与度ではトップクラスに高い。その株が上場廃止となれば、日経225平均への影響も含め影響はかなり出ることになるだろう。

　14日の報道はまだ検討段階で非公開化が決定される可能性は高くないが、決定されることになれば大きなニュースになると思われる。