スイスフランはリーマンショック後に買われ続け、スイス経済の競争力に深刻な影響を及ぼすほど高くなりすぎた。そこでスイス国立銀行は2011年9月から、「1ユーロ=1.2フラン」という上限値を設定している。
まず、なぜスイスフランの上限が設定されたのか、そこから振り返ってみよう。もともとユーロ/スイスフランのレートは、ユーロ導入以来1ユーロ=1.5フラン前後で推移していた。そのあたりのレートならユーロ側もスイス側も、不満を述べたりすることはあまりなかった。
しかしそれが、2008年のリーマンショック前後から一変する。リーマンショックに続いてギリシャの財政危機が表面化し、さらにスペインなど他のユーロ導入国も財政問題が浮上してきた。それによってユーロの信用が落ち、スイスフランや日本円などの通貨が「逃避通貨」として、好んで買われるようになったのだ。
スイスフラン買いは際限なく続き、2011年6月には1ユーロ=1.2フランを割り込むまでフランは高くなった。また同時期に日本円も買われていたため、数年間日本企業を苦しめた1ドル=80円前後の「超円高」時代となっていった。
8月にはついに1ユーロ=1フランに近づくまで上昇し、また対米ドルでも1ドル=0.7フランと過去例のないほどスイスフランは高騰した。
だが、このような極端なフラン高を黙って見ていられるほど、スイスにも余裕はない。そこでスイスは2011年9月に、「スイスフラン高を食い止めるために、為替レートに1ユーロ=1.2フランの上限を設定する。それを超えるようなら、無制限に為替介入する用意がある。」と発表した。
途上国は自国通貨が安くなりすぎることが多く、その場合は手持ちの外貨を売って介入することになる。しかし外貨売りの介入は、手持ちの外貨の額までしかできない。その一方でスイスが発表したような通貨高を食い止めるための介入は、自国通貨を売るので理論的には無制限にできる。
この発表が行われた時、市場関係者には「そんなことが本当に実行可能なのか?」と懐疑的な目で見るものも少なからずいたであろう。しかしそんな懐疑の目とは裏腹に、ユーロ/スイスフランのレートは「瞬時に」上昇して(フラン安になり)、1ユーロ=1.2フランのラインまで戻った。
それ以来2年半が経過したが、その後1度もユーロ/スイスフランのレートは1ユーロ=1.2フランのラインを下回っていない。スイスの大胆な政策は、上手くいっているというわけだ。
市場では、「いつ上限が撤廃されるのか?」についていろいろ憶測が飛び交っている。しかしスイス金融当局は今月にも「スイスフランは依然として割高」と述べるなど、スイスフラン高に対する警戒を緩めていない。どうやら、スイスフランの上限はまだ当分撤廃される様子はなさそうである。撤廃されるとしたら、ユーロ/スイスフランのレートが1.3や1.4まで戻り、1.2の上限が事実上不要になった時であろう。
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