スイスとユーロ圏はどちらも政策金利を据え置き

13日にはスイスとユーロ圏の政策金利が発表され、どちらも予想通りの政策金利据え置きとされた。そしてECBはかねてから予告していたように、今年末で量的緩和を終わらせることを発表した。

ECBは緩和終了へ

13日はスイスとユーロ圏の政策金利発表があった。午後5時半にはスイス中銀が政策金利を発表し、－0.75％のまま据え置きとされた。スイスは2015年1月以来政策金利を現行の水準に維持しており、ユーロ圏の金利が変更されない限り当分変える予定はないと思われる。

なお2018年のインフレ率予想は、これまでの0.9％のまま変更なしだった。しかし2019年のインフレ率予想が0.8％から0.5％に下方修正、2020年のインフレ率予想は1.2％から1.0％に下方修正された。

そして午後9時45分にはECBが政策金利を発表。最重要金利のリファイナンス金利は0％に、限界貸出金利は0.25％に、中銀預金金利は－0.4％に全て据え置きとされた。またECBは以前から今年末をもって量的緩和政策を終了させると述べていたが、今回発表された声明でそれが再確認された。

ただし利上げについては「2019年夏までは金利を変更しない」と述べ、少なくとも来年夏まで利上げがないことを確認した。そしてこれまで買い入れてきた資産について、「利上げ開始後も再投資を継続する」と述べていた。アメリカは量的緩和が終了した後、2～3年程度してからバランスシートの縮小を始めた。それに対しECBは今年末に量的緩和を終わらせるので、まだ当分はバランスシートの縮小はしないと見られる。

ユーロ圏の経済成長率について、ECBは2018年の成長予想をこれまでの＋2.0％から＋1.9％に下方修正した。2019年は同様に＋1.8％から＋1.7％に下方修正。2020年は＋1.7％のまま変更なしだった。

インフレ率予想は、2018年のインフレ率を1.7％から1.8％に上方修正。2019年は1.7％から1.6％に下方修正。2020年は1.7％のままだった。

その後行われたドラギ総裁の会見では、総裁は「ユーロ圏経済は今後成長がやや鈍化する」と発言していたものの、量的緩和終了などに変更はないことを確認した。

13日のユーロ/円は、朝方の128円80銭付近から日中緩やかに上昇し、政策金利発表前には129円に。政策金利は予想通りのためレートは反応しなかったものの、ドラギ総裁の会見で成長鈍化について触れられると、20～30銭下落。しかし大きな動きにはならなかった。