シューズの破損事故で株価が下落したナイキ

ナイキと言えば世界的なスポーツ用品メーカーで、日本でもプロ・アマを問わず多くの人がナイキの製品を使っている。しかしアメリカでナイキのシューズがバスケの試合中に突然破損し、その影響で翌日のNY株式市場でナイキ株が下落するという事件があった。

シューズが破損し選手は負傷

スポーツ用品メーカーとしてのナイキ（銘柄コード：NKE）の名前を知らない人はいないだろう。しかしアメリカにおいて、そのナイキのシューズを選手が使用していたバスケの試合で、シューズが突然破損して先週がケガをするという事件が起こった。

事件はアメリカの大学バスケの試合で起こった。この試合は、デューク大学対ノースカロライナ大学のバスケの公式試合で、現地時間の20日夜、日本時間の21日朝頃に行なわれた。

そしてデューク大学には、ザイオン・ウィリアムソンというスター選手がいた。この選手は将来はNBAのドラフト1位になると言われ、アメリカの大学バスケで最も注目されている選手の1人だった。

ところが事件はこの試合開始わずか30秒後に起こる。ウィリアムソン選手はこの日ナイキのシューズを履いていたのだが、左足のシューズの底が突然はがれてしまったのだ。シューズに突然異変が起こったため、ウィリアムソン選手はバランスを崩して転倒。そのまま足を負傷して、退場してしまった。

結局この試合は88対72でノースカロライナ大学の勝利で終わる。この事件は全米に報道され、オバマ前大統領もツイッターで「一刻も早い回復を願っています」と発言していた。

だがこの事件のためにナイキのシューズに対するイメージ悪化し、それは株価にも反映されることとなった。事件が起こる前、20日のNY株式市場ではナイキ株は84.84ドルで終了。しかし事件後の21日の市場では、開始時点から83ドル台と安く推移し、終値は約1％安の83.95ドルだった。

とは言えそれほど大きな下落ではない。一部メディアでは「シューズの事件によってナイキ株が時価総額を1,500億円失う」などと書かれているが、割合にすれば1％程度だ。もともとナイキは時価総額が大きかったので、その1％程度でも1,000億円を超える金額になったというだけの話だった。

それにしてもバスケシューズが試合中に突然破損するとはかなり珍しい事件だ。もちろんある程度使い込んだシューズならあるかもしれないが、この試合でウィリアムソン選手が使っていたシューズは、ほぼ新品だったと言われる。それが突然底がはがれるという破損の仕方をしたら、ナイキシューズの品質に疑義を持つ人々が増えてもおかしくはない。株価の下落幅は1％程度だが、それ以上の衝撃を米バスケ界に与えた事件だった。