スイスの銀行大手・クレディ・スイスの経営危機が先週に深化したため、欧州でも金融不安が拡大した。金融不安を鎮めるため同じスイスのUBSがクレディ・スイスの買収に名乗り出て、20日未明には買収で合意した。しかし金融市場の動揺は収まらず、20日も円高・株安の動きが続いた。
先週の15日水曜にスイスの銀行大手・クレディ・スイスの株価が最大で30%以上暴落し、同行の経営危機が高まった。クレディ・スイスはもともとここ数年経営が不振だったのだが、アメリカの金融不安によって諸問題が一気に表面化してきた。
しかしクレディ・スイスが破綻したら、2008年のリーマン・ショックの再来のような世界的金融危機になりかねない。そこで同じスイス銀行大手のUBSが、クレディ・スイスの救済買収に名乗り出た。またスイス政府が国有化を検討しているとの情報も流れた。
当初UBSが提示していた案は、クレディ・スイス株1株あたり0.25フラン(に相当するUBS株)をもって買収するというものだった。しかし16日のクレディ・スイス株の終値は2.02フラン、17日は8%下がったとはいえ1.86フランだった。17日の終値でもまだUBSが提示している0.25フランとは約7倍の開きがあり、当初クレディ・スイスはこの案に難色を示していた。
だが週末になって続けられた交渉でUBSが妥協し、買収価格を1株あたり0.76フラン(に相当するUBS株)と当初の3倍に引き上げた。
日本時間の20日月曜未明頃に両行はこの案で合意し、ここにおいてUBSがクレディ・スイスを買収することとなった。ただしどちらもスイスの銀行大手なので、UBSが買収することで1つになると、巨大になりすぎてスイスの独占禁止法に抵触するとの懸念がある。
先週17日のクレディ・スイス株の終値はすでに述べたように1.86フランだったが、買収価格がそれより遥かに低い0.76フランに決まったことで、週明け20日のスイス株式市場でクレディの株は暴落。
通常ある上場企業の買収(TOBも含む)が決まると、株価は買収価格よりやや低い水準で推移することが多い。その法則通り、20日のクレディ株は前日比60%以上安い0.73フラン付近で推移している。
しかしクレディ・スイスの買収が決まっても、金融市場の動揺は収まらなかった。20日の東京株式市場は午前中なら軟調な展開となり、日経225平均は引け間際に27,000円を割って388円安の26,945円で終了した。
為替市場でも先週から引き続きリスク回避の円高が止まらず。米ドル/円は午前中にはやや円安に動き一時132円60銭をつけたものの、午後には急激な円高になり夕方には約40日ぶりの円高水準となる130円50銭をつけた。
また先週から引き続き「逃避資産」としての金買いが続き、夕方にはNY金が一時昨年3月以来となる2,000ドルをつけた。NY金は2020年夏と2022年3月の2回2,000ドルをつけたが、どちらも短期間で終わり2,000ドル台には定着できなかった。
クレディ・スイスの買収は決まったが、買収の条件としてクレディ・スイスが発行した債券の一部を無価値にすると発表。それがかえって金融市場の動揺につながり、欧州の他の銀行債券も暴落しているものが多い。買収が決まっても市場の動揺が収まるにはまだ遠いようだ。
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