世界同時株安のニュースに隠れてあまり報道されていないが、中央アジアのカザフスタンの通貨・テンゲが、8月20日に変動相場制に移行した。これ自体は大きな影響はないが、今後他の国で同じような動きが起こるかもしれない点に要注意だ。
テンゲの変動相場制移行のニュース以前に、カザフスタンという国のニュース自体があまり報道されない。そもそもカザフスタンという国自体を知っている人も、日本にはあまり多くないかもしれない。カザフスタンは中央アジアの国だが、それほど影響力の小さな国だ。
カザフスタンの通貨・テンゲは、最近まで米ドルに対して基準レートである1ドル=185テンゲを設定し、その上下一定幅に変動が抑えられるようにしていた。しかし今月になってその制度をこれ以上維持できず、変動相場制に移行。変動相場制に移行した直後にテンゲは30%以上急落し、1ドル=250テンゲをつけた。ちなみに1ドル=185テンゲの基準レートは2014年2月以来のレートで、それ以前は別の基準レートを設定していた。
世界には最近までのカザフスタンのように、自国通貨を米ドルに対して固定している国がある。身近なところでは香港ドルがあるが、サウジアラビアのリヤルもその1つだ。このように自国通貨を米ドルに固定した制度のことを、ドルペッグ制と呼ぶ。
また欧州やアフリカの一部の国は、自国通貨をユーロに対して固定するユーロペッグ制を採っている。
なぜペッグ制を採用するのか?それは途上国の場合自国通貨が不安定になりがちなので、米ドルやユーロに固定することで為替レートを安定させる目的がある。また資源国の場合、資源を輸出する際に米ドルやユーロで決済されるケースがほとんどだ。その場合レートを固定しておくことで、為替の変動に左右されず安定した収入が得られる。
ただペッグ制は「タダ」で維持できるものではない。ペッグ制を維持するためには、それだけ為替市場に介入しなくてはならない。途上国の場合は自国通貨が米ドルに対して弱くなりがちなので、米ドルを売って自国通貨を買う作業を続けなくてはならない。しかしそのためには外貨準備が必要で、外貨が切れるとペッグ制を維持できなかったりする。
サウジアラビアなど一部の資源国は、最近の原油安・資源安のため、外貨収入が減っている。なのでカザフスタン以外にも、今後ペッグ制を維持できなくなる国が出てきてもおかしくない。
ペッグ制は絶対的なものではないのだ。今年1月に、それまで1ユーロ=1.2フランの上限を設定していたスイスが、その上限を維持しきれずに突然撤廃した。それまで1.2のラインがあるからと安心してフランをショートしていた投資家は、ほぼ全員大きな損失を出してしまった。
同じように、現在ドルペッグ制を採用している国も、それが永久的に維持される保証はない。サウジの通貨などをFXで取引することも可能だが、その点に気をつけないといつか痛い目を見ることになる。
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