イーサリアムの次のハードフォークが3月1日に迫る

仮想通貨としてビットコインに次いで時価総額2位にあるイーサリアムだが、3月1日にハードフォークが予定されている。これはイーサリアムを完成に近づけるために、何回か予定されているハードフォークの1つとなるものだ。

今回は第3段階の後半

イーサリアムは仮想通貨としてはビットコインに次ぐくらいに時価総額や知名度が高い。最近はリップルが追い上げて時価総額2位になり、イーサリアムが3位に落ちることもあった。しかし2月26日現在、イーサリアムは時価総額2位に返り咲いている。

そのイーサリアムだが、3月1日にハードフォークが予定されている。この「ハードフォーク」という言葉は、これまで仮想通貨が分裂する際に使われることが多かった。例えば2017年夏にビットコインがビットコインキャッシュとに分裂した時、「ハードフォーク」とメディアなどでもよく言われていた。

そのためハードフォークが分裂を意味するように思われることもあるが、必ずしもそうではない。今回のイーサリアムのハードフォークは分裂を伴っておらず、むしろ「リニューアル」のような意味合いのハードフォークになる。

今回のハードフォークは、以前から予定されていたものだった。そしてイーサリアムが以前から計画していた「4つのハードフォーク」の1つでもある。ではそれらの4つとはどんなものだったか。

ハードフォークの第1段階は「フロンティア」というコード名で、2015年7月に実施済み。これは将来のいろいろな機能のための検証を行うことを目的としたハードフォークだった。

第2段階は、2016年3月に行なわれた「ホームステッド」。このハードフォークによって、イーサリアムの取引の承認がこれまでより速くなった。

第3段階は「メトロポリス」という。しかし「メトロポリス」は1回で終わらず、前半と後半の2回に分けられることになった。前半部分の「ビザンティウム」は2017年10月に実施され、匿名性の強化などが行われた。

そして今年3月1日に行なわれる「コンスタンティノープル」とは、第3段階の後半部分のハードフォークになる。このハードフォークでは演算が軽量化されるために、イーサリアムの取引処理が速くなることなどが予定されている。

最後の第4段階は「セレニティ」と呼ばれるが、これは当然ながらまだ実施されていない。比較的近いうちに実施されるだろうと予想されているので、2019年か2020年中には行われる可能性が高いと見られる。

このように、3月1日に行なわれるハードフォークはイーサリアムが以前から計画していた4つのうち、第3段階の後半にあたる。このハードフォーク実施日には、取引所によってはイーサリアムの入出金が停止になったりする。もしイーサリアムの取引を行っているなら、自分が使っている取引所の連絡事項を確認しておいた方がいいと思われる。