9月19~20日にアメリカでFOMCが開催され、日本時間の21日午前3時に政策金利が発表された。金利は市場の予想通り据え置きだったものの、その後FRBのバランスシート(BS)縮小計画が発表された。これでアメリカはリーマンショック後に行なってきた緩和を全て終了する体制に入った。
2008年に1930年代の大恐慌以来の金融危機と言われたリーマンショックが発生。世界の金融市場は大暴落し、21世紀の世界恐慌に突入するかに思われた。
しかしここでアメリカが、「大規模金融緩和」という政策を取る。これは市場に出回っている国債や他の債券を中央銀行が買い取ることによって、市場に大量にお金をバラ撒くに等しい政策だった。
アメリカはQE1からQE3まで3回に分けて大規模金融緩和を行ない、景気回復という成果をもたらした。そのために日本やユーロ圏も、その後に同じような緩和政策をスタートした。
だが緩和を続けると、それだけ中央銀行が多くの債券を買い取ることになる。買い取った債券は中銀のBS上に記録されるため、緩和が長く続くと「バランスシートが拡大した」という状態になる。債券の償還日がきても、同じ金額の債券に再投資をしてBSの規模の維持を行なってきた。
米FRBのBSはリーマン前は1兆ドル程度だったが、QE3の終了時には4兆5000億ドルまで拡大していた。しかしこの状態は正常な状態ではないとFRBは見ており、いつかBSの縮小が必要だと常に述べていた。
そして今月21日になって、ついに今後のBS縮小計画が発表される。FRBの計画では、まずは毎月100億ドルずつBSを縮小していき、段階的に縮小幅を拡大。1年後には毎月500億ドルずつの縮小を目指すというものだ。
現在FRBが保有している債券は米国債と住宅ローン担保証券(MBS)がほとんどになるが、国債については全限月で再投資を縮小。MBSの15、30年物は再投資を継続するとのことだ。
ただしBS縮小を行なうにしても相当な時間がかかる。仮に1兆ドルまで減らすことをメドにBSを縮小する場合、現在から3兆5000億ドル減らさないといけない。その場合は毎月100億ドルずつの縮小だと350ヶ月、つまり30年近くかかる。月500億ドルにまで増やしたとしても、70ヶ月、つまり6年近くかかる。
その間に米経済が現在のような好調さを維持できれば良いのだが、また不況に転落した場合はBSの縮小どころではなくなる。場合によっては利下げ、量的緩和の再開などまた緩和政策をしないといけなくなる。
量的緩和を再開したら、BSの縮小はできなくなりBSはまた拡大していく。そうしてリーマン前の水準にBSを縮小することはいつまで経ってもできなくなる。結局はFRBのBS縮小計画の成否は、アメリカの経済がどこまで健全でいられるかにかかっている。
ところで他の量的緩和を行なっている国・地域はどういう状況だろうか?ECBは最近になって緩和の縮小や引き締めの方向に向かっているという報道が増えた。では日本はどうか?日本の異次元緩和の終了は全く見えず、日銀のBSは拡大を続けている。
BSが拡大してすぐに何らかの問題が発生するわけではないが、日銀にとって金融政策の「正常化」は全く見えないものとなってしまった。
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