いよいよ携帯電話の5G時代が開始

4月4日から5日にかけて、アメリカと韓国の携帯電話会社が相次いで5G（第5世代）通信に対応したサービスを発表した。携帯電話業界はこれまでの4G（第4世代）から、本格的な5G時代に入ろうとしている。

IoTにも必要な技術

携帯電話の通信方式は、これまで1G（第1世代）から4Gまで進化してきた。しかし1Gとは1980年代に使われていたアナログ通信方式で、この時代は携帯電話自体も普及しておらず1Gという言葉自体もなじみがなかった。

〇Gという言葉が普及してきたのは3Gの頃からで、2005～10年頃にはそれまでの2G携帯に代わる3G携帯を携帯各社が売り出し、新しい高速通信方式としての「3G」という言葉がよく聞かれるようになった。

そして2010年代のスマホ時代になると4Gが一般的になったのだが、これからさらに次の世代である5Gが始まろうとしている。4月4日には、米通信大手のベライゾン（銘柄コード：VZ）が、シカゴとミネアポリスで5Gサービスを開始と発表した。もともとは11日から開始予定だったものが、5日には韓国の通信会社が5Gサービスを開始するので、1週間早めて「世界初」と謳えるようにしたという。

5日には予定通り、SKテレコムなど韓国の携帯3社が5Gサービスを開始した。日本ではまだサービス開始には至っていないが、ドコモなどが2020年のサービス開始に向けて現在開発を進めている最中と言われる。

ではこの5Gは、これまでの4Gとは何が違うのだろうか？まず通信のスピードが違う。4Gは一般的には100Mbps程度の速度だが、5Gになるとその100倍の10Gbpsもの通信速度が可能になる。これなら大容量の動画コンテンツなども一瞬でダウンロードできる。

5Gの通信方式は、これから普及すると言われるIoT（モノのインターネット）に不可欠な技術と見られている。IoTとはこれまでのようにIT機器だけではなく、家具や家電などいろいろなモノがインターネットに接続される生活環境のこと。5Gの超高速通信なら、IoTの普及が加速する。

そして2020年代には実用化されると見られる自動運転車にも、5G通信は必要となる。自動運転車は周囲の状況を瞬時に把握することが求められるが、5G通信によって周辺の車や道路の情報をネット経由でリアルタイムで取り入れる。そうすることで人が動かさない自動運転が可能になる。

2020年代は普及が確実と思われる5Gだが、関連銘柄を今からキープしておくといいかもしれない。