今月になってスイスフランの下落が目立ち、ユーロ/フランは1.2を回復した。この「1.2」という水準は、数年前までスイス中銀が「防衛ライン」として設定したが防衛することができず、2015年1月にスイスフランの急激すぎる変動「スイスフランショック」を生んだラインでもある。
2008年のリーマンショック前は、スイスフランは現在よりかなり安い水準にあった。ユーロ/フランは1ユーロ=1.6フランを超えており、ユーロ圏もスイスもその水準で特に問題を感じなかった。
しかしリーマンショック以降、「逃避通貨」としてスイスフランが一方的に買われるようになった。リーマンショック前に1.6だったユーロ/フランのレートは、1.5、1.4、1.3、、、とどんどんユーロ安・フラン高に動いていった。
2011年頃になるとユーロ発足以来経験したことのなかった1ユーロ=1フランの等価(パリティ)に接近。だがスイスはこのようなフラン高を想定していなかったので、時計などスイスの輸出品に対して打撃になった。
そこでスイス中銀がフラン高を食い止める手段として2011年夏に発表したのが、「ユーロ/フランの1.2を下限とし、それを超えそうになったら無制限に介入する」という政策だった。この政策はすぐに効果を発揮し、1.0に近づいていたレートは1.2を一瞬で回復。その後は数年間1.2を上回って推移してきた。
ところがその裏ではスイス中銀がフラン買いの圧力と格闘しており、だんだん買い圧力に耐えられなくなってきた。そして2015年1月に、ついに1.2のラインをこれ以上防衛することが不可能になり、突然そのラインを放棄すると発表。
スイス中銀による突然の発表を受け、スイスフランはユーロに対して一瞬で数千pipも大暴騰。このような極端な動きが起こったのは、1.2を割ると想定していたトレーダーが少なかったために、1.2より下で買い注文がほとんどなかったためだ。またスイスフランの大暴騰は、対円や対米ドルでも同じだった。この時フラン売りのポジジョンを持っていたトレーダーは莫大な損失を被り、「スイスフランショック」と呼ばれるようになった。
ユーロ/フランが数千pip大暴騰して0.8付近まで行ったあとは1.0に一瞬で戻り、その後は緩やかにユーロ高・フラン安が続いてきた。そして今年3月頃からフランが一段と下がり、今月になってついに「1.2」を回復。スイス中銀による無制限介入宣言なしに、1.2の水準に戻ってきたのだ。2015年1月のショックから3年3ヶ月ぶりのことだった。
最近フラン安が進行している背景はいろいろ考察されているが、ユーロ圏のインフレや景気が堅調なこと、そのためECBによる引き締め観測が高まっていること、そしてスイス中銀の方はECBが引き締めをしても緩和的政策を続ける姿勢を見せていることなどが考えられている。
ともかく2015年1月以来の1.2水準を回復したユーロ/フランだが、スイスの金融当局は安堵しているに違いない。
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