「いきなり! ステーキ」も、NASDAQ上場廃止の仕組み

「いきなり! ステーキ」も、NASDAQ上場廃止の仕組み

著者 鳥羽賢
2019年06月19日

手軽な価格でステーキを提供するレストラン「いきなり! ステーキ」は昨年9月に米NASDAQに上場したものの、アメリカにおける事業が振るわないために今年秋までに上場廃止の手続きを取ることになった。ではNASDAQにおける上場廃止の仕組みはどのようなものだろうか?

NASDAQ市場は3つ

手軽な価格でステーキを提供する「いきなり! ステーキ」を運営するペッパーフードサービスは、昨年9月に米NASDAQ市場に上場。しかしアメリカにおけるレストラン事業があまり振るわないために、今年秋までに上場廃止を申請すると発表した。


ところで日本ではあまり知られていないが、NASDAQ市場の上場廃止の仕組みはどうなっているのだろうか?それを知るためにはまずNASDAQ市場の構造自体から知っておく必要がある。


日本で報道される時はNASDAQとひとくくりにされることがほとんどだが、実はNASDAQには3つの市場がある。最も規模の大きい企業の銘柄が入るのが「グローバル・セレクト・マーケット」、中堅企業の銘柄が入るのが「グローバル・マーケット」、新興企業の銘柄が入るのが「キャピタル・マーケット」だ。ペッパーフードサービスは中堅向けの「グローバル・マーケット」に上場している。


これはちょうど、東証の1部、2部、新興(マザーズ、JASDAQ)に相当するようなものと考えられる。というのも、「グローバル・セレクト・マーケット」の銘柄だけで合計の時価総額は1,000兆円を超えるのに対し、他の2つは時価総額の合計も遥かに小さいからだ。


そして上場維持基準についても違い、例えば時価総額は「キャピタル・マーケット」では3500万ドル以上、残り2つの市場については5000万ドル以上と決められている。もちろん時価総額以外にも上場維持基準はいろいろあるが、それらを満たさないと上場廃止となる。ちなみに日本では上場廃止が決まると「整理銘柄」として指定されるが、NASDAQでは同様の指定はなく、単に上場廃止がアナウンスされるだけになる。


上場廃止になったらNASDAQ市場では売買されなくなるが、公に売買される機会を完全に失うわけではない。NY証券取引所やNASDAQが米国株にとっての「メジャーリーグ」とするなら、「マイナーリーグ」に相当する下部市場がある。


それはOTC(店頭)市場と呼ばれている市場だ。これらはNY証券取引所やNASDAQの上場基準を満たさない小さい企業の株でも売買の機会が与えられる市場として存在している。NASDAQを上場廃止になっても、これらの市場で売買を行えるよう手続きをすることができる。


以上が簡単なNASDAQの上場廃止基準になる。これまで発表されたところによれば「いきなり! ステーキ」は自主的に上場廃止を申請するようなので、廃止基準などは直接関係ないかもしれない。しかし米国株を取引するなら、NASDAQ市場とその上場廃止の仕組みは知っておいて損はない。

 

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