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16
Aug

米の景気後退懸念が再燃

user 著者 鳥羽賢

15日に発表された米景気指標は予想よりかなり悪かった。

ダウ工業平均は続伸

15日の午後9時半に米8月NY連銀製造業景況指数が発表され、予想の+5.5に対して発表は-31.3と大幅なマイナスだった。この統計によって米経済の不況入り懸念が再燃。発表後は米長期金利や米ドルが一時下落した。一方米利上げの減速見通しがさらに高まったことでNY株式市場は先週の堅調な地合が続き、ダウ工業平均は151ドル高で終了した。

今日の展望

今日は午後9時半にアメリカの7月住宅着工件数が発表されます。

日本225(円)

大幅高で年初以来の高値

米インフレ懸念がやや後退したことで先週金曜のNYダウは424ドルの大幅高で終了。その流れから週明け15日の東京市場では日経225平均が77円高の28,623円からスタートした。その後は前場に買いが多く入り、年初以来の高値となる28,800円台まで上昇。後場になると28,800円で安定推移し、終値は325円高の28,871円だった。夕方以降の先物は一旦28,600円台まで下落したが、米景気指標が発表されると利上げ減速見通しから反発した。

米ドル/円

米経済指標発表前後に円高

15日日中の米ドル/円はあまり動きがなく、133円台半ばで横ばい。そして午後9時半に発表された米8月NY連銀製造業景況指数は、すでに述べたように予想外のマイナスだった。この統計発表の少し前から円高・米ドル安が進行し、統計発表後には一旦132円台半ばまで円高に。その後午後11時に発表された米住宅指標も予想を下回ったものの、レートは反発して16日未明には133円台半ばまで戻ってきた。

ユーロ/円

ユーロの下げが続く

ユーロ圏の景気後退懸念が高まっていることや、ロシアからの天然ガス供給が縮小しエネルギー懸念が台頭していることなどからユーロは売られやすい地合が続いている。週明け15日朝方は137円からスタートしたユーロ/円は、午前中から緩やかな下げが継続。午後3時にはドイツの7月卸売物価指数が発表され予想外のマイナスだったことで、今後の利上げ見通しが遠のき発表後夕方にはユーロ安が加速。16日未明には135円台前半までユーロ安になった。

WTI原油

イラン核合意見通しで下げる

トランプ政権時代にイラン核合意から離脱した米だが、バイデン政権になって復帰への交渉を続けている。そして先週末には、イラン高官が合意に対して前向きな発言を行った。この発言によって週明けのNY原油は軟調な展開となり、朝方には92ドルだった原油価格だが、日中から下げが続き夕方以降に下げが加速。米景気指標が発表された午後9時半頃には87ドルまで下がったが、そこで下げ止まり16日未明には89ドル付近で落ち着いた。

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