就任前から頓挫が見えてきているトランプ新大統領の政策

筆者 鳥羽賢 |

アメリカのトランプ大統領の政策には反発も多い。

 アメリカのトランプ新大統領就任まであと2週間足らずとなった。最近になって新大統領は政策について具体的な内容の発言や行動を見せているものの、周囲の反応は新大統領の政策に対して反発するものも少なからずある。

米大統領選の過去記事はこちら。

 

周囲は協力的とは言えない

 

 昨年11月に行われた米大統領選では共和党のトランプ候補が勝利し、アメリカの次期大統領として決定。そして今年の1月20日には、正式就任になる。

 トランプ新大統領は選挙戦期間中から政策について述べており、選挙に勝った後はより具体的な発言や行動に移したものもある。だが周囲の反応を見ると、トランプ大統領の政策を歓迎しない人々や企業などがかなりいることがわかる。

 まず「アメリカ国内の不法移民を強制送還する」という政策。この政策については支持者も多いので、選挙期間中は特に具体的な反発は起こらなかった。しかし当選した後、ロサンゼルスやニューヨークといった大都市が「トランプ大統領の不法移民排除には協力しない」と宣言した。

 さらにTwitter [i] などの大手IT企業も、トランプ大統領の不法移民排除政策に使うためのシステム開発などには協力しないと宣言し、この政策への反発を示した。大都市や大手IT企業の協力が得られない中、本当に不法移民排除ができるかどうか疑問が残る。

 そして「メキシコとの国境地帯に、メキシコのお金でフェンスを建設する」という政策も以前から述べていた。これにはメキシコが最初から反発し、お金は出さないと宣言。最近になってトランプ新大統領は「最初にアメリカの金でフェンスを建設し、後でメキシコに請求する」と発言したが、その実行にはかなり無理がある。

 また「アメリカや外国企業にはなるべくアメリカ国内に工場を作らせる」という政策も提唱していた。この政策の実行のために、正式就任前の現在でもすでに各企業にアメリカ国内に工場を作るよう話を持ちかけている。

 自動車メーカーのフォードは、トランプ新大統領の提案を飲んでメキシコに建設する予定だった工場の計画をキャンセル。代わりにアメリカに建てることになった。

 その一方で同じ米自動車メーカーのGMは、CEOが「メキシコにおける生産計画の変更はしない」と発言。トランプ新大統領の要求に応えない姿勢を見せた。また日本のトヨタにも同様の圧力がかかったが、トヨタもメキシコへの工場建設を取りやめる予定はない。

 このようにトランプ新大統領の政策はすでに周囲の企業や国などの反発が多く、かなり波乱含みの政権になりそうな気配を見せている。まだ正式就任はしていないが、20日の正式就任後、アメリカが全く新しい時代になるのは間違いない。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。