トランプ大統領就任後の数週間~数ヶ月で行われること

筆者 鳥羽賢 |

あと10日でアメリカのトランプ大統領が正式就任となる。

 20日にアメリカでトランプ大統領が正式に就任する。これでオバマ大統領の8年間が終わり、アメリカは新しい時代になる。正式就任後の数週間~数ヶ月で、トランプ大統領が「実行する」と言っていた政策をまとめてみた。

 

TPPやNAFTAから脱退

 

 まずはトランプ新大統領が「就任したら即やる」と言っていた事柄から。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、日米を初めとする太平洋地域の12ヶ国が、2015年10月に基本的枠組で合意。次は各国の議会による承認が必要という状況にある。

 しかしトランプ新大統領はTPPを好まず、「自分が大統領になったら即日破棄」と述べている。本当に破棄するとしたら、参加国の中で最大の経済を持つアメリカがいなくなり、TPPはすでに死に体も同然となる。

 為替においては、「中国を為替操作国として認定する」と発言していた。アメリカが為替操作国として認定した国に対しては、一定の制裁措置などを取ることができる。ただ制裁をしたとしても、中国が致命的なダメージを受けるようなものになるとは思えない。

 そしてNAFTA(北米自由貿易協定)も、再交渉または脱退すると述べている。NAFTAは1994年に発効しもう23年間も続けられてきた自由貿易協定なのだが、それすらも自分の政権中に脱退すると述べている。

 アメリカの医療面では、オバマ大統領が成立させようとしてきた日本の国民健康保険に近い国民皆保険制度「オバマケア」を、廃止するつもりでいる。ただオバマ大統領以前のアメリカには、もともと国民皆保険制度はなかった。それをオバマ大統領が変えようとしてきたのだ。

 トランプ新大統領がオバマケアを廃止するとしても、オバマ時代以前に戻るだけでアメリカそのものを大きく変えるような政策ではない。

 そしてアメリカ経済を底上げするために、大規模な法人減税を行う。現在のアメリカ国内における法人税率は35%程度だが、それを15%まで引き下げると宣言している。

 減税の他に10年間で1兆ドル規模のインフラ投資を行う計画も提唱しているが、この政策と減税はともにアメリカの財政赤字を拡大させる。アメリカの財政赤字は毎年膨らんでおり、数年に一度は「債務上限の引き上げ問題」で議会が揉める。今年も3月にこれまでの債務上限の規定が期限を迎えるため、新しい上限設定のために議会で民主・共和両党が対立する可能性がある。

 そして現在の円安・米ドル高をどう是正してくるかも注目材料となる。トランプ新大統領は以前から「円安誘導は容認しない」と言っているが、自分が当選してからかえって円安・米ドル高が進行する結果となった。大統領に就任したら、どこかで米ドル高を止めるための政策を打ち出してくることが予想される。

 どちらにしてもあと10日後にアメリカでトランプ大統領が誕生し、米経済や世界経済が大きく影響されるだろう。



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筆者について
鳥羽賢

慶應義塾大学経済学部卒業。輸入業務に従事後、ライターとして2003年より主に経済分野を中心に執筆活動を行う。企業トップへインタビューした上での、ビジネス記事執筆経験多数。ポータルサイト『オールアバウト』では、「世界のニュース・トレンド」テーマなどで、数年間政治・経済ニュース記事を執筆。FXの専門誌『月刊FX攻略.com』でも各通貨ペアの特徴解説など、FX攻略記事を執筆した経験がある。主な著書に、『とにかくわかる! FX超入門者』(すばる舎)などがある。翻訳活動も行い、FX投資教材の翻訳を中心に、金融分野の翻訳実績も多数。自身でも投資を行い、FXのトレードも2006年以来7年以上にわたって継続している。